力が抜ける!思うように身体が動く! <踊る身体の骨&コツ>

AT Dance さちこのアレクサンダー・テクニーク&マッピングレッスン

女子体操界で続くケガ

気になる記事を目にしました

このことについて思うことを書きます

news.yahoo.co.jp

 

どちらの選手もケガをしたのは

左膝前十字靱帯

 

十字靭帯は膝が捻れないように

サポートしている靭帯です

膝を曲げたときにつま先と膝の方向がズレて

膝が内に落ちてしまうとき

ここを痛めることが多いです

 

記事中でも挙げていますが

 

昔と比べてテクニックの難度が上がったこと

大会におけるプレッシャー

 

これらも理由の一つと思います

 

でもそれ以前に 全体の使い方の問題

私としてはやはりそこが気になります

 

特に女子は技を決めたときの

あの独特な反り返ったポーズ

男子はやりませんよね

 

あの形になるためには

膝を伸ばそうとして後ろに押します

 

膝を伸ばそうとしながら

「逆に折ろう 曲げようとしている」

これと同じことです

 

行きすぎないようにストップかけている靭帯を

自分で伸ばしてゆるくしてます

当然不安定になります

 

ギュッと腰を反ること

骨盤の前傾は股関節の内旋につながります

膝を後ろに押して伸ばすことも

股関節の内旋につながります

 

大腿骨と骨盤を安定させる

外旋六筋群をはたらきにくくするので

立っていることが不安定になりやすいです

不安定だから なおさら膝を突っ張りたくなります

これは悪循環ですね

 

股関節で内旋すれば 膝も内に入りやすくなって

ねじれが起きやすくなります 

 

左脚は多くの人にとって軸足です

片足で立っているときは

膝も後ろに押しやすいですよね

 

この使い方の習慣を持ったままでは

痛めやすいのも道理かなと

 

つま先をピッタリ揃えておこうとするのも

脚全体を内旋させます

 

着地の時に膝が離れないためとしたら

それは全体のアンデオールがあってこそです

 

 

広い可動域と安定

両方が必要だからこそ

身体のメカニズムに合った使い方が欠かせません

 

指導者の皆さんが どう考えているか

一度伺ってみたいものです

 

特にあのポーズのこと

胸を上げて膝を伸ばすことをやりたい

あるいはその形を見せたいのかもしれませんが

あそこまでやるのは女子だけ

柔らかいから あそこまで行っちゃうのかもだけど

あれは本当に必要なのでしょうか?

 

必要で あの形を見せたいんだ!

 

だとしても

”どうやってあのラインを作るか”

そこは検討の余地があると思いませんか

 

膝をきれいに伸ばして安定するのは

やっぱりアンデオールなんですよね

たくさんつま先が開くことではなく

脚全体がアウトスパイラルの流れを持っていること

 

そして胸を上げるのと 腰を反るのは

やってることが違います

 

そこが理解されて変わっていったらいいなあと

切に願います

 

 

テクニックの難度が上がって

まだ身体が成長と変化の途中の段階で

無理な負荷をかけるトレーニングしたり

軽い方がいいだろうと

成長のことを考えない体重制限したり

 

体操だけでなく バレエやフィギュアでも

女子は同じ問題を抱えています

 

少なくとも指導者の誤った価値観で

若い才能の芽を摘むことはしてほしくないです

よろしくお願いします

 

HP:AT Dance 〜踊る身体のコツを知る!

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