「ひざを伸ばしきるように指導されていた」
という方が
反張膝について質問している投稿を見ました
すでに良さげな返答があったので
特にコメントはしませんでしたが
気になったのは
「伸ばしきるようにという指導」
伸ばす ではなく
伸ばしきる
そういう指導する先生は
まだいらっしゃるんでしょうか
これ 危ないですから
私は絶対にお勧めしません！
膝はもちろん伸ばしたいです
まっすぐ長くきれいにも見せたい
でも 伸ばしきるのはちょっと違います
こんにちは
あなたの動きの可能性をひらく
踊るアレクサンダー・テクニーク教師
ダンス・キラメキストのさちこです
伸ばしきるように言われたら
（しっかり伸ばして！も同じね）
あなたなら何をするでしょうか
もっとちゃんと伸ばさなきゃ！って
きっとこれをやります
膝を後ろに押す 押し込む
その結果が 反張膝（過伸展）です
ターンアウトで立っている時
膝はついて かかとが離れている脚です
この反張膝の脚を「美しい」という人が
バレエ界にはいらっしゃること知っています
でも・・
反張膝で良いことはありません！
いったい何が悪いのでしょうか・・？
●伸ばし過ぎは 伸びていない
そもそも膝を伸ばすっていうのは
曲がったところから角度を減らしていくこと
角度が0度になったところが ”まっすぐ”
それ以上はまた曲がるんです
膝は靭帯がストップをかけているので
折れ曲がらずにたわんでいるけど
これは 伸びているとは言いません
もちろん まっすぐでもありません
●骨の支えが不安定になる
”まっすぐ”は 骨のアラインメント
立っているなら重心線にのっていること
お皿の出っ張りを押し込んでしまうと
脚はまっすぐじゃなくなり
重力による胴体からの重さの方向と
床からの押し返す力の方向がズレて
重さを支える骨の機能がうまく使えません
後ろに押し続けて靭帯を伸ばしてしまうと
関節がゆるく不安定になります
それを筋肉で補おうとすれば動きにも影響します
●脚がねじれを起こして痛めやすくなる
膝の過伸展は 関節を痛めやすくなります
それは膝関節だけではなく
股関節や足首にも負担がかかります
バレエではターンアウトが基本ですが
膝を後ろに押すと 股関節を内旋方向に引っ張ります
股関節はターンアウトしたいし
足元でもつま先は外に開いているのに
膝が内旋方向に引っ張っちゃったら
ねじれが起きてどちらにも負担ですよね
●脚の筋肉の緊張（太くなる）
太ももの筋肉は 膝を伸ばすのが仕事
ふくらはぎの筋肉は 足首を伸ばすのが仕事
筋肉を使いっぱなしになるので
脚が太くなりやすいです
●プリエがしにくい
まっすぐを通り越しているわけですから
一度まっすぐに戻らないと
その先のプリエの動きはできません
●過伸展はクセになる
膝を後ろに押して 靭帯に寄りかかっている状態は
気づいたときにはクセになっています
押している感覚がないと伸ばしている気がしないし
ゆるい感じだと不安定で落ち着かないから
そしてどんどん反り返った膝になります
バレエの人に反張膝がよく見られるのは
伸ばし続けた”結果”でしかありません
それが必要だとか
その方が踊りやすいというわけではなく
やり続けたからそうなった
ただそれだけです
でも やり続けて反張膝になっても
実際には悪いことだらけです
見た目もね
こう言っては申し訳ないですが
普通の人から見たら気持ち悪いです
（この前 電車乗ったら目の前にいたの！）
不自然だしグニャってなりそうで
見ていても怖かった！
本当にやりたいことは何でしょうか
きれいに長く伸びた脚で踊りたい
安定して きれいに立ちたい
伸ばすのはそのためです
膝を後ろに押さないとしたら
どうやって膝を伸ばすのか
あなたが先生ならどう教えますか？
過伸展させるような指導をしていませんか？
膝を伸ばすには2つの方法があります
今やっているのはそのうちの一つ
では もう一つは何でしょう？
考えてみてね(^^)b
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