ハンブルク・バレエの来日公演
『ジョン・ノイマイヤーの世界』を観てきました
(5日まで東京文化会館)
彼がダンスと出会い
自身がダンサーとして
そして 振付家として関わってきた
人生を作品とともに追体験する
そんな舞台でした
舞台上で作品についての想いを語りながら
ダンサーたちを見つめる彼の姿からは
ダンスへの愛おしい気持ちが溢れていて
4階席にいてもバンバン伝わってきました
最後は涙が出そうでしたよ
舞台は オケピの部分もステージにして
奥行きを目一杯使った構成だったので
4階の席からは 全体が見えてよかったです
(でも3階あたりがベストかも)
彼の育ててきたダンサーたちは秀逸
動きがすべて流れるようにつながっていて
それは動く音楽のようでもあり
ジャンプも多彩なリフトも
どこにも「エイヤ!」ってがんばりがなく
とても観ていて心地よいのです
太ももパンパンの男性なんていないし
身構えるような動きもないです
あれほどのリフトやジャンプ山盛りなのに
筋肉がガッチリつくことがないのは
力でやっていないということ
腰だって簡単に痛めそうだけど
そうならない使い方をちゃんとしてます
久しぶりに見た『椿姫』の白のパ・ド・ドゥ
(コジョカルとトルーシュ)
これ男性はほんっと大変!
リフトしたまま走り回る(^^;
さすがに数歩だけど後ろに歩いた時は
ちょっとドキドキしましたよ
ほんの少しのバランスで倒れますからね
そんな危うさは微塵も感じさせず
刹那的な幸せの時間を見せてくれました
菅井円加さんは すっかりバレエ団の看板になりましたね
もう少し人生経験を積んでから
技術の奥に 味わいが加わったところで
また見たいなという感じではしました
日本公演ということもあって
彼女が前面に押し出されていることはあるけど
最後のカーテンコールで彼女が最後に出てきた時
後ろにいるメンバーたちが拍手していたのが
なんか素敵だなぁと思いました
来週は『シルヴィア』ですね
多くの人に足を運んで欲しいです
https://www.nbs.or.jp/stages/2023/hamburg/sylvia.html
それにしてもサーシャ!
アレクサンドル・リアブコは大好きなダンサーです
(ベジャールのジル・ロマンと似た香り)
身体がとても自由だけど 安定感も抜群
つまりどこにも無理がない
『作品100 ー モーリスのために』
レヴァツォフと戯れる感じがとても幸せな時間に見えて
今まで見たこの演目でも一番好きかも
レヴァツォフから温かみを感じたからかな
それにしても・・
彼の存在感は一体なんなんだろう!
『ゴースト・ライト』で
途中 一人でどこかをただ見つめる場面
下手前までただ歩いて
ずっと立って何かを見ているだけなのに
センターで情熱的に踊っている二人の男性が
彼のバックスクリーンの風景のようで
視線は サーシャの方に行ってしまう
彼がこれから何をするのかが気になる
カーテンコールで出てくる時は
すごく普通に見えるのにねぇ(笑)
何もしていない 動いていないのに
(正確には 何かを表現してるけど)
広い舞台が埋められる存在感というのは
どんなベテランでも簡単ではないです
全然違うかもだけど
ライブエイドのフレディってそういう感じ
いるだけで会場全体をキャッチできる人
最後に舞台の奥にノイマイヤーが出てきた時も
存在感の強さをすごく感じました
いつもの舞台ならカーテンコールになると
帰りを急ぐ人が多いのに(22時近かったし)
ほとんどの人がその場で立って拍手して
ノイマイヤーとダンサーたちを讃えました
それだけの素晴らしい舞台でした
観客少なめだったけど 舞台は熱かった!
芸術監督としては最後のシーズン
今後バレエ団がどう進んでいくのか
楽しみに見守りたいと思います
HP:AT Dance 〜踊る身体のコツを知る!